投稿日:2018年12月 7日|最終更新日:2018年12月 7日

JALとANA、アルコール検査500件していなかった

2018年10月、ロンドンでJALの副操縦士がアルコール検査で基準値の9倍のアルコール濃度が検出され逮捕。そして禁錮10ヶ月の懲役。JALも解雇されてしまいました。

その後、各航空会社で実施されているはずのアルコール検査が日常的に行われていなかったことが発覚し話題になっています。

JALとANAは国際線・国内線ともにアルコール検査を省いていたことが判明

ショッキングな情報です。国土交通省が先月実施した立ち入り検査によって、過去1年間でアルコール検査が行われなかったのは少なくとも500件あることが調査によってわかりました。

私がメインに利用しているANAは1年間の間に羽田空港だけで11万回のアルコール検査を行ったうち、393件の検査結果がないことがわかりました。検査結果がないままスルーして運行していたという管理体制のずさんさが露呈した形です。

JALも国内線だけで200件前後のアルコール検査をしていなかったことが判明しました。

アルコール検査をしなかった理由

JAL、ANAともに業務が立て込んでいたことを理由にあげています。またフライト変更によって忙しく時間がなかったことやお酒を飲まないので検査する必要がなかったなどの理由も。

実際にバタバタしていて時間がないというのはよくわかります。特にJALもANAも大幅な遅延などはあまりなくて、スムーズに運行しているイメージです。

アルコール検知で引っかかっても体調不良としてアナウンスしたJAL

JALでは新型のアルコール検知器を導入した後に国内線で12件アルコール検知によってひっかかった事例があり、その際は乗務員の体調不良により遅延とアナウンスしていたとのこと。さすがにパイロットが酒気帯びによって遅延していますとは言えませんよね。

新型のアルコール検知器が優秀ではなく、過去に見過ごしていた可能性が高い

JALでは新型のアルコール検知器を導入した後に大量のアルコール検知をし始めています。なぜかというと、旧型でもしっかりと検査をしていたものの、その場だけで記録が残らないオフラインの機器を使っていたそうです。

そこにオンラインで情報が残る新型のアルコール検知器が導入されたことから、息を吹きかけたところ当然検知されればオンラインで通知され記録が残ります。

その場で検査するだけでその場の人以外に情報が漏れなかった過去とは違うわけですね。そう考えると新型のアルコール検知器になって精度が上がったのではなく、過去に基準値を上回る検知結果が出たとしても身内同士で見過ごしてきた可能性が非常に高いのではないか、これがJALの内部でも騒がれているようです。

国際線でパイロットは飲酒しにくくなる

私は弾丸1泊3日でアメリカやヨーロッパ、オーストラリアに行くことが多いのですが、その場合乗務員の方々と同じ旅程になるんです。ということは、1泊したその数時間後にはもう飛行機に乗る準備が始まると思われます。

そう考えると到着日の夜に飲酒したとしても夜遅くまでは飲めなくなりますよね。当然到着後は一旦ミーティングをして登場前もミーティングがあるでしょう。すると自由時間はそれほどなく、夕方に到着した場合などは飲酒時間も限られます。

現実的に考えると日本と海外を往復する国際線の場合は一切飲酒できないと考えるべき、と乗務員たちの間では話題になっていることが予想されます。

関連ページ