【レッドファーン】危険地帯、治安が悪い!?現在は安全な街に様変わり
シドニーで絶対に近づいてはいけない街と言えばアボリジニが住んでいると言われている「レッドファーン」でしょう。レッドファーン駅はセントラル駅の隣りにあり、地図で見る限り隣接するこの街が危険だとは思えません。
しかしアボリジニが住んでおり外部の人間が立ち入らないほうが良いと言われるほど危険地帯として知られているため、今回2019年12月にレッドファーンを歩いてみることにしました。
果たして本当に思案が悪いのでしょうか。
レッドファーンは2エリアに分かれている
レッドファーンは、レッドファーン駅と線路で2エリアに区切られています。
このマップの通り、東側がメインで、お洒落な飲食店が多く出店するエリア。
西側には小さくエリアが区切られていて、こちらは「ブロック」と呼ばれアボリジニが住んでいる危険地帯と言われるエリア。
今回はどちらも徒歩で写真を撮ってきたので現在のレッドファーンがどれだけ危険か、治安が悪いかをご紹介します。
レッドファーン駅・東側は安全過ぎて問題なし
レッドファーン駅よりも東側は昔から安全と言われていて、実際に歩き回ってみましたが治安の悪さは一切なく安全そのものです。
街自体が汚れているとかそういうことはなく、お洒落なカフェやバーなどが立ち並んでいます。
高層マンションも建っていて新しく再開発したようにも感じられました。これで治安が悪いと思うほうがおかしいでしょう。レッドファーンの事前情報のままの状況ならここに移り住むことはないでしょう。
レッドファーンの西側にはヨーロッパのスーパーチェーンである「スパー」が開業しています。店内はガランとしていて混雑している雰囲気ではありません。
食品は日本、中国、韓国などの加工輸入食品がたくさん置いてありました。当然オーストラリアの食品もありますよ。
朝8時頃。カフェは多くの人で賑わっていました。ここがタクシー運転手も行きたがらないレッドファーンだとは、2005年頃は誰も想像できないでしょう。
正直ここまで治安が良いとは思いませんでした。
レッドファーン駅・西側も南に行くと安全過ぎてビビる
レッドファーンは駅よりも東側が危険と言われていました。ちょっと道を間違えて南側へ進んでしまいました。
すると住宅、シドニーの特徴的な住宅が立ち並びます。ここにアボリジニーが住んでいるのかな?と思いましたが、特にそういう感じもなく・・・。
歩いている人たちは白人もアジア人も多く、小さな子供連れで散歩しているほど。
歩いている人やジョギングしている若い女性など、どんどん人も増えてきてまったく危険な雰囲気はなく閑静な住宅街という印象です。シドニー大学が近いのでおそらくシドニー大学の学生がこの周辺に多く住んでいるのかもしれませんね。
レッドファーンの危険地帯、ブロックを歩く
レッドファーンの西側にある「ブロック」というエリア。ここが治安の悪いエリアとして知られているそうです。ということで、南に道を間違えていたのを軌道修正し北のブロックへ向かって戻ります。
レッドファーンの「ブロック」というエリアの「イヴリー・ストリート」はかなり危険で、行ってはいけない地域として知られていたそうです。この赤い部分がブロックエリア。駅から出てすぐがイヴリー・ストリートなので、当時は駅から降りたらめちゃくちゃ怖かったと思います。
昔の「ブロック」には地図を見ると分かる通り、細かく区切られた長屋の住宅がひしめき合っていたそうで、このエリアに立ち入ると財布を盗まれる、暴行される、などの被害もあったそうです。
これが当時のイヴリーストリートです。坂を下るように道が続いています。
左に見えるのが細かく区切られた長屋です。地図上でもやたら細かく区切られていて異様な区画であることがわかります。
そして数年前。ブロックの住宅は解体され空き地になっています。
奥の建物など、昔の風景をそのまま残しています。左の月のような壁画、有名ですよね。これが有名になったのはブロックの長屋がすべて取り壊されてからだったんですね。感慨深いです。
「ブロック」解体、再開発が開始された
しかし着いてみると景色が一変。壁画の書いてある左側がブロックエリア、右側が線路です。
奥で工事をしています。
ブロックエリアに行こうと通りを渡ると・・・。レッドファーン駅を出た真正面の工事していた場所が「ブロック」であり、「イヴリー・ストリート」だったのです。
ここ数年間は住宅が取り壊され、ブロック一体が空地になっていました。ようやく2019年から再開発がスタートしたようです。
改めて昔のイヴリーストリートを見てみましょう。
このような活気あふれる生活感のあるイヴリーストリートが・・・。
現在はこのように工事が進んですべて取り壊されています。
奥の窓がたくさんある建物は当時のママ残されています。イヴリーストリートより右側の線路沿いの建物は残されているところが多いようでした。
レッドファーンの中でも特に危険と言われていたイヴリーストリートを進んでいきます。
工事が進んでいることや昼間ということもありまったく治安面では問題がありません。
さらにイヴリーストリートを進み、ホールデンストリートの交差点まで来ました。
ホールデンストリートとの交差点にある右側の建物は未だに残っていて人も住んでいました。もしかしたらアボリジニーか、格安物件に住む人達かもしれません。
しかしこの手の建物がズラッと並んでいて誰かしらが路上にいる当時を想像すると恐怖でしょう。タクシーも行きたくないと言うはずです。
イヴリーストリートの入り口に戻ってきました。工事をしている隙間から壁画を見ることができました。壁を壊す様子はなく何かを建てていました。
アボリジニー独特のアートで、ブロック解体後はシドニーに住んでいる人たちもこれを見に来るようになったそうです。
2007年のストリートビューの画像だとこのようになっています。
このように壁画が連なっていたんですね。手前のダチョウの壁画が今でも残っているということです。
再開発が進んでいるとは言え、周辺は危険なんじゃないかと思い歩いてみましたがまったく危険ではなく安全。この公園がブロックの中でも取り壊されなかったコミュニティーセンターに隣接する公園です。
人はそんなに歩いていませんが、白人の住人らしき人も歩いていてアボリジニによる危険な地域と言われていたのはいつの時代なんだろうと思わせる雰囲気。
未だにレッドファーンが危険と言っている人は実際にレッドファーンに来たことがない人でしょう。
過去のレッドファーンの治安や事件
ネットで調べてみると、日本人のブログ記事などがヒットしました。大昔、2010年よりも前のことだと思いますが、この頃はアボリジニが強奪や殺傷事件を起こすなど治安の悪い地域として実際に犯罪に巻き込まれた日本人もいたようです。
タクシーも寄り付かないほど危険なエリアだったというから驚きです。
2006年頃の消されてしまったブログをキャッシュで見ると、その頃はレッドファーンの隣のセントラル駅ですら鉄格子に囲まれた家があったと書かれています。今はもうないですよね。
2017年の記事で「レッドファーンは危険な人がウロウロしているから近づかないように」という記事を見かけましたが実際は普通の住民が多く住み、治安が悪かった時代は終わっていました。自分の目で確かめていないのだとすぐにわかってしまう記事ですね。
レッドファーンの再開発
以前からレッドファーンの「ブロック」を再開発し、シドニー大学の学生用の住宅を建てることが計画されていたそうです。2010年には「ブロック」にあった住宅がスラム化していたものをアボリジニハウジングカンパニーが撤去したとのこと。
レッドファーンへ行く前にグーグルマップでどれだけ危険なのかを確かめていました。
「こんな芝生の公園が危険!?」と思っていたのですが、更地になっていたんですね・・・。
この計画ではこれまでここに暮らしていたアボリジニも利用できる住宅やスーパー、ジムなどの建設も計画されていたそうですが実際どうなっているのかは不明です。ただしジム建設予定という看板は見かけました。